(まだ見ていない方はこちらをどうぞ。)
前回の方法は便利だと思うのですが、全てがPDFファイルとして保存されていると、印刷やシェアがもっと簡単です。 そこで今回はPDFで保存する方法を紹介します。
作業手順は次の通りです。
1.PDFファイルへの変換に必要なソフトウエアをインストールする。
2.RStudioの設定を変更する。
3.Sweaveによってテンプレートを作成する。
4.テンプレートを利用して作ったファイルをPDFファイルへ変換する。
5.グラフを載せたPDFファイルを作成する。
1.PDFファイルへの変換に必要なソフトウエアをインストールする。
今回紹介する方法は、PDFファイルに変換する前に、TeXファイルを作成します。そこで、もし使っているPCにLaTeX環境がない場合、あらかじめLaTeXソフトウエアをインストールしておく必要があります。LaTeXを行う環境はいろいろあるのですが、今回は日本語のコメントを文字化けさせずに出力することを考えて、XeTeXというutf-8というエンコーディングをベースにしたTeXエンジンを利用します。XeTeXのオリジナルはMacのOS X用に開発されていて、Linux版やWindows版もあるのですが、今回は同じXeTexエンジンをベースにしたWindows用のソフトMikTeXをインストールします。
また、フォントが特定のOSに依存しないように、IPA明朝フォントをインストールしました。
XeTeXの概略を日本語で説明しているウエブページはこちらです。
MikTeXのダウンロードはこちらです。私はVersion2.9.4813 32bit版を使いました。
IPAフォントのダウンロードはこちらです。
2.RStudioの設定を変更する。
RStudioのデフォルト設定ではpLaTeXというTeXエンジンを使用するようになっているのでこれを変更します。
メニューの中のToolsからOptionsを選択するとダイアログボックスが出てきます。
Sweaveというアイコンを押すと、Sweaveの設定をみることができます。この中の上から2番目の
Typeset LaTeX into PDF usingという項目をpLaTeX からXeLaTeXに変更します。
3.Sweaveのテンプレートを作成する。
Markdownファイルを利用した時と同じように、Sweaveのテンプレートを作成します。
RStudioのファイル新規作成のボタンを押すと7種類のファイル形式が選べます。今回はこの中からR Sweaveという形式を選びます。Untitled1という名前のついたウインドウが作成されます。
上の
\documentclass{article}から\begin{document}の間が文書の仕様を書き込むヘッダー部分(Preambleと呼ばれているみたいです)で
\begin{document}から\end{document}の間が文書として表示される本文部分です。
今回は日本語テキストを追加するためにヘッダーと本文にそれぞれコマンドを追加します。
ヘッダー部分への追加
\usepackage{fontspec}
使用しているPC内のフォントを利用するためのパッケージをインポートするコマンドです。
\usepackage{Sweave}
RコードをLaTeXファイルへと翻訳するドライバーをインポートするコマンドです。
\setmonofont[Scale=MatchLowercase]{IPA明朝}
上記のfontspecというパッケージは、Rコード内まで影響が及ばないので、Rコード内に日本語文字があると文字化けしてしまいます。このコマンドはRコード内のフォントを指定して日本語の文字化けを防ぎます。
本文部分への追加
\fontspec{IPA明朝}
本文のフォントを指定するコマンドです。
4.テンプレートを利用して作ったファイルをPDFファイルへ変換する。
本文にはコメントを書いておきます。
Rコードは<<>>=と@の間に書きます。コードの書き方はRGuiと同じです。
5.グラフを載せたPDFファイルを作成する。
上の場合と同じように<<>>=と@の間にRコードを記述します。もしも変数名などで日本語文字を使用している場合は、family="Japan1"というオプションを追加すると文字化けせずに表示されます。
できあがったPDFファイルは以下のようになります。
タイトルを追加したり、文字の色を変えたりするとさらに読みやすくなるかもしれません。