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2014年7月15日火曜日

夏季統計セミナーでの質問募集(締め切り延長)

先日紹介しました夏季統計セミナー(Summer Statistics Seminar)について再度お知らせします。

8月11日に東京大学駒場キャンパスで一日の統計セミナーを開催します。

午前中は線形混合モデルに関するQ&Aセッションを企画しており、

現在、何名かの方に混合モデル分析に関するお悩みご質問をいただいております。

例えば
研究デザインにあった解析方法(lmeの回帰方程式)はどうやって作ればいいか?
ランダム要因の決定に関する悩み
LME4の最近の動向

質問の受付締め切りは昨日でしたが、せっかくの機会ですので、締め切りを今月末31日までに延長いたします。

他の混合モデル分析ユーザーと知識を共有できるチャンスだと思いますので、参加申し込みと質問どうぞお送りください。

質問は
mixed.model.jp@gmail.com

参加申し込みは
http://yukihirose.com/Yuki/SSS2014.html


2014年7月1日火曜日

混合モデル分析に関する疑問・お悩み募集します

久しぶりの投稿です。
今回は8月に東京大学で開催される思考と言語研究会/MAPLL2014とその前日に開催されるSummer Statistics Seminar(SSS)のお知らせです。

毎年夏に電気情報学会の研究会である思考と言語研究会(TL)とMAPLLの合同ワークショップが開催されています。(研究発表の応募は既に締め切られています。)

毎年数多くの興味深い研究発表がありますが、今年の基調講演ではUniversity of PotsdamのSharavan Vasishthが線形混合モデルに関するチュートリアルを、そして、University of LiverpoolのFranklin Changがニューラルネットに関する講演をなさるそうです。

その他、プログラムはこちらをご覧ください。

そして、TL/MAPLLの前日には、言語科学における統計分析に焦点をあてたセミナーが実施されます。プログラムはこちらをご覧ください。

プログラムの中のQ&Aセッションは、当ブログも協力しています。そこで、あなたの混合モデル分析に関する疑問やお悩みを募集します。以下プログラムからの引用です。


LMEモデル(注:線形混合モデルのことです)は、t検定や分散分析と比較して、モデルの自由度が高く、研究デザインに合わせたモデルを構築できます。その一方で、その自由度の高さのために慎重なモデル選択が要求されます。よって、最終的なモデルを構築し、研究結果を報告するぎりぎりまで心配や悩みが絶えないと言うのもLMEモデルを用いた分析の特徴のひとつです。

そのようなLMEモデルの使用に関する疑問・悩みを他のLMEモデル使用者と共有して、解決策を一緒に探してみませんか?想定される質問は、モデルの構築方法や探索方法、パッケージやソフトウエアの選択、使用方法等ですが、LMEに関する質問ならなんでも受け付けます。受け付けた質問を取りまとめて当日の話題とする予定です。

応募が多数ある場合には、時間の都合で全ての質問を話題にできないこともありますが、その点はあらかじめご了承ください。

原則として、セッションで取り上げる質問を提出した方には当該セッションへの参加をお願いしますが、どうしてもセッション参加の都合が付かないという場合にも、質問は受け付けますのでご相談ください。

質問の送付方法:
以下のメールアドレスまで、お名前、所属、連絡先メールアドレス、質問内容をお送りください。

締め切りは7月14日です。沢山の疑問・悩みをお待ちしております。

2014年2月21日金曜日

「東大LMEワークショップ」午後の部レポート

先日告知をしました「東大LMEワークショップ」へ参加してきました。
本日は、午後のセッションの概要をご報告します。


1.混合効果モデル分析とt検定・分散分析との違い(神長伸幸)

これは、私の発表です。今回発表した内容は

  1. 混合効果モデルの基礎
  2. 固定要因、特にカテゴリー変数のコーディングについて
  3. ランダム要因、特にランダム切片とランダムスロープの相関について
  4. t検定・分散分析にはない5つのメリット
  5. 2011年以降の混合効果モデル分析の使用状況(出版された論文数による)
  6. 混合効果モデル分析を学ぶポイント
でした。特に上記3では混合効果モデルのメリットとして

  1. 複数のランダム要因を細かく設定できる
  2. 連続量の予測変数をそのままモデルに組み込める
  3. 正規分布以外の分布を持つ従属変数を分析できる
  4. 従属変数に影響しそうな要因を共変量としてモデルに組み込める
  5. 欠損値を含むデータを分析できる
ことを挙げました。また上記6に関して。混合効果モデル分析は、t検定・分散分析から2段階の拡張をしています。ですので、第1の拡張としての線形モデルで学べる内容と第2の拡張としての混合効果モデルで学べる内容を上手く区別した方がいいと指摘しました。

2.Analyzing Reading Time Data with Linear Mixed Effects Regression Models (Doug Roland先生)

混合効果モデル分析を使って既に何本も国際論文誌に論文を載せているRoland先生の発表です。分析の手順や必要なパッケージを示してくれただけでなく、混合効果モデルを読み時間データの分析に使おうとしている人なら、誰でも悩むような問題を取り上げていました。


  1. どうやってはずれ値データを取り除くのか?
  2. ランダム要因の構造をどうやって決めるべきか?
  3. 予測変数は中心化を施すべきか?
  4. 反応時間を対数変換すべきか?
  5. p値をどうやって計算するか?
Roland先生は、それぞれの疑問について、可能な答えのオプションを示しながら、自分ならどれを選ぶかまで説明されていました。こういう悩みに答えてくれる発表は本当に参考になります。

3.眼球運動データの線形混合モデル解析(新井学先生)

眼球運動測定を利用した心理言語学研究で、国際論文誌にどんどん論文を載せている新井先生からは、言語研究における眼球運動研究の基礎と眼球運動データを混合効果モデルで分析する際のポイントについて解説がありました。

特に、視覚世界パラダイムと呼ばれる比較的新しい手法の眼球運動測定実験では、視覚文脈内の特定のオブジェクトをあらかじめ決めた時間帯に見ているか否かを検証します。そのようなデータは、定義上、正規分布をとらないため、一般化線形混合効果モデルを利用しなければなりません。新井先生からは、エンピリカルロジットという対数オッズの計算方法の紹介やランダム要因の構造の決め方に関する実践的な発表がありました。

Roland先生と新井先生の発表はどちらも査読に耐える解析とは何かをご自身の経験から解説してくれたことが印象的でした。このような勉強会がこれからもどんどん開かれるといいなと思いました。


2014年2月11日火曜日

LMEワークショップ 於東京大学駒場キャンパス 午前の部チュートリアル受付終了

先日告知しました、線形混合モデルに関するワークショップについて追加連絡です。オーガナイザーの山田さんより、午前の部のチュートリアルの受付が締め切りましたと連絡がありました。午後の部のレクチャーは、引き続き参加可能とのことです。以下、山田さんからの連絡です。
(2月18日追記:主催者から連絡があり、レクチャーのタイトルなどを修正しました)



各位

東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程所属の山田敏幸と申します。

今週木曜日、2月20日(木)に「東大LMEワークショップ」を開催いたします。

午前の部はすでに受付終了ですが、午後の部は事前予約不要ですので、ご関心のおありの方は是非ご参加ください。


以下、リマインダです。

言語情報科学専攻設立20周年記念卓越拠点研究補助金企画である、

「言語研究における統計処理の研究:線形混合モデルLMEを中心に」主催でワークショップを開催いたします。

日にち:2014年2月20日(木)

時間:10:00-17:00

場所:東京大学駒場キャンパス情報教育棟4階中演習室2 (E42)

入場無料、予約(午前の部:受付終了、午後の部:不要)

★本ワークショップの目的

 近年、言語研究において統計処理のパラダイムシフトが起こりつつあります。具体的には、分散分析ANOVAから線形混合モデルLMEへの移行です。過渡期である今、「線形混合モデルとは何か?」「ANOVAよりもLMEの方が有用なのか?」などの疑問を、実践をとして議論していくことが求められています。本ワークショップは、午前の部(チュートリアル編)と午後の部(LMEレクチャー編)に分かれています。午前の部では、LMEの簡単な実践をしていただき、ANOVAとの類似点・相違点に気づいてもらうことを目的とします。午後の部では、LMEを実際の研究に応用している講師の先生をお招きし、LMEの有用性、理論的・実践的問題点などの話題提供をしていただき、LMEを今後深く理解するための橋渡しを目的とします。

☆午前の部:チュートリアル編(受付終了)

10:00-12:00 チュートリアル

☆午後の部:LMEレクチャー編

 午後の部では、講師の先生を招き、言語心理学研究における主要な手法である、自己ペース読み課題、眼球運動課題におけるデータをLMEでいかに扱うことができるのか講義していただきます。その話題提供を受け、フロアとのディスカッションをとおして、LMEに対する理解を深めます。

13:30-14:00 イントロダクション:混合効果モデル分析とt検定・分散分析との違い
      神長伸幸  先生

14:10-15:00 レクチャー1:Analyzing reading time data with mixed effects models
         Roland, Douglas 先生 (使用言語:英語)

15:20-16:10 レクチャー2:眼球運動データの線形混合モデル解析
      新井 学 先生

16:20-17:00 フロアとのディスカッション

こちらは、事前予約不要です。会場に直接お越しください。

なお、会場は飲食禁止ですので、どうぞご了承ください。

★本ワークショップにご質問のある方は、下記までご連絡ください。

東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程
山田 敏幸
t_yamada@phiz.c.u-tokyo.ac.jp

















2014年2月4日火曜日

LMEワークショップ 於東京大学駒場キャンパス

しばらく更新をお休みしていました。
本日は、東京大学言語情報科学専攻が主催する線形混合モデルワークショップのお知らせを掲載します。
午前中はチュートリアル、午後は口頭発表が予定されているようです。
本ブログに関連したワークショップは、これまで仙台、大阪で開催されており、東京では開催していません。つまり、首都圏ではめったにないチャンスですので、興味のある方は、ぜひ主催者へ直接参加申し込み、お問い合わせください。

以下主催者からいただいたメールを転載します。

各位
東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程所属の山田敏幸と申します。
開催まで1ヶ月を切っての周知で大変恐縮ではございますが、
2月20日(木)に開催するワークショップについてお知らせさせていただきます。
言語情報科学専攻設立20周年記念卓越拠点研究補助金企画である、
「言語研究における統計処理の研究:線形混合モデルLMEを中心に」主催でワークショップを開催いたします。
日にち:2014年2月20日(木)
時間:10:00-17:00
場所:東京大学駒場キャンパス
入場無料、予約(午前の部:必要、午後の部:不要)

*会場など詳細は追って連絡いたします*

★本ワークショップの目的
 近年、言語研究において統計処理のパラダイムシフトが起こりつつあります。具体的には、分散分析ANOVAから線形混合モデルLMEへの移行です。過渡期である今、「線形混合モデルとは何か?」「ANOVAよりもLMEの方が有用なのか?」などの疑問を、実践をとして議論していくことが求められています。本ワークショップは、午前の部(チュートリアル編)と午後の部(LMEレクチャー編)に分かれています。午前の部では、LMEの簡単な実践をしていただき、ANOVAとの類似点・相違点に気づいてもらうことを目的とします。午後の部では、LMEを実際の研究に応用している講師の先生をお招きし、LMEの有用性、理論的・実践的問題点などの話題提供をしていただき、LMEを今後深く理解するための橋渡しを目的とします。


☆午前の部:チュートリアル編
 午前の部では、統計処理ソフトRを使い、言語心理学研究で扱う主要なデータとして読み時間の分析を、線形混合モデルを用いて行ないます。主に本企画メンバーがチューターを務め、実践的な練習の場とします。

10:00-12:00 チュートリアル「Rで読み時間データをLMEで分析してみよう」

こちらは、事前予約が必要です(先着15名)。
誠に勝手ではございますが、参加者を以下に限定させていただきます。
参加対象者:RでANOVAの実践があり、当日自身でRを使用できる環境が準備できる方。


☆午後の部:LMEレクチャー編
 午後の部では、講師の先生を招き、言語心理学研究における主要な手法である、自己ペース読み課題、眼球運動課題におけるデータをLMEでいかに扱うことができるのか講義していただきます。その話題提供を受け、フロアとのディスカッションをとおして、LMEに対する理解を深めます。

13:00-13:30 イントロダクション:LMEとANOVA、何が違うのか?
13:40-14:40 レクチャー1:読み時間データをLMEで扱う(Roland, Douglas先生)
15:00-16:00 レクチャー2:眼球運動データをLMEで扱う(新井 学 先生)
16:10-17:00 フロアとのディスカッション

こちらは、事前予約不要です。会場に直接お越しください。


★午前の部に参加をご希望される方、また本ワークショップにご質問のある方は、下記までご連絡ください。
ご関心のおありの方は是非ご参加ください。
東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程
山田 敏幸
t_yamada@phiz.c.u-tokyo.ac.jp

2014年2月7日23時 追記
午前の部のチュートリアルの受付について、残り席数がわずかのようです。参加予定だが申し込みがまだの方や、やってみようか迷っている方はお早めにどうぞ。


2013年6月18日火曜日

knitr package と RStudio (3) 

 前回、knitrとRStudioを利用して、R言語による分析のコメント、コマンドシンタックス、出力結果、グラフの全てを一つのHTMLファイルとして保存する方法を紹介しました。
(まだ見ていない方はこちらをどうぞ。)

 前回の方法は便利だと思うのですが、全てがPDFファイルとして保存されていると、印刷やシェアがもっと簡単です。  そこで今回はPDFで保存する方法を紹介します。


作業手順は次の通りです。  

   1.PDFファイルへの変換に必要なソフトウエアをインストールする。 
   2.RStudioの設定を変更する。
   3.Sweaveによってテンプレートを作成する。
   4.テンプレートを利用して作ったファイルをPDFファイルへ変換する。
   5.グラフを載せたPDFファイルを作成する。

1.PDFファイルへの変換に必要なソフトウエアをインストールする。
 今回紹介する方法は、PDFファイルに変換する前に、TeXファイルを作成します。そこで、もし使っているPCにLaTeX環境がない場合、あらかじめLaTeXソフトウエアをインストールしておく必要があります。LaTeXを行う環境はいろいろあるのですが、今回は日本語のコメントを文字化けさせずに出力することを考えて、XeTeXというutf-8というエンコーディングをベースにしたTeXエンジンを利用します。XeTeXのオリジナルはMacのOS X用に開発されていて、Linux版やWindows版もあるのですが、今回は同じXeTexエンジンをベースにしたWindows用のソフトMikTeXをインストールします。
また、フォントが特定のOSに依存しないように、IPA明朝フォントをインストールしました。

XeTeXの概略を日本語で説明しているウエブページはこちらです。
MikTeXのダウンロードはこちらです。私はVersion2.9.4813 32bit版を使いました。
IPAフォントのダウンロードはこちらです。


2.RStudioの設定を変更する。
 RStudioのデフォルト設定ではpLaTeXというTeXエンジンを使用するようになっているのでこれを変更します。
メニューの中のToolsからOptionsを選択するとダイアログボックスが出てきます。
Sweaveというアイコンを押すと、Sweaveの設定をみることができます。この中の上から2番目の
Typeset LaTeX into PDF usingという項目をpLaTeX からXeLaTeXに変更します。



3.Sweaveのテンプレートを作成する。
 Markdownファイルを利用した時と同じように、Sweaveのテンプレートを作成します。
RStudioのファイル新規作成のボタンを押すと7種類のファイル形式が選べます。今回はこの中からR Sweaveという形式を選びます。Untitled1という名前のついたウインドウが作成されます。


上の
\documentclass{article}から\begin{document}の間が文書の仕様を書き込むヘッダー部分(Preambleと呼ばれているみたいです)で
\begin{document}から\end{document}の間が文書として表示される本文部分です。
今回は日本語テキストを追加するためにヘッダーと本文にそれぞれコマンドを追加します。


ヘッダー部分への追加
\usepackage{fontspec}
使用しているPC内のフォントを利用するためのパッケージをインポートするコマンドです。
\usepackage{Sweave}
RコードをLaTeXファイルへと翻訳するドライバーをインポートするコマンドです。
\setmonofont[Scale=MatchLowercase]{IPA明朝}
上記のfontspecというパッケージは、Rコード内まで影響が及ばないので、Rコード内に日本語文字があると文字化けしてしまいます。このコマンドはRコード内のフォントを指定して日本語の文字化けを防ぎます。

本文部分への追加
\fontspec{IPA明朝}
本文のフォントを指定するコマンドです。

















4.テンプレートを利用して作ったファイルをPDFファイルへ変換する。

本文にはコメントを書いておきます。
Rコードは<<>>=と@の間に書きます。コードの書き方はRGuiと同じです。



















5.グラフを載せたPDFファイルを作成する。

上の場合と同じように<<>>=と@の間にRコードを記述します。もしも変数名などで日本語文字を使用している場合は、family="Japan1"というオプションを追加すると文字化けせずに表示されます。






















できあがったPDFファイルは以下のようになります。
タイトルを追加したり、文字の色を変えたりするとさらに読みやすくなるかもしれません。








2013年6月5日水曜日

knitr package と RStudio (2)

 では、knitrパッケージとRStudioを利用して、解析のコメント、コマンド、結果、グラフまでを一つのHTMLファイルに表示する方法を見ていきましょう。
(実際にやってみようとしていて、knitrとRStduioをまだインストールしていない方はこちらを見てインストールしておいてください。)

 今回ご紹介する方法はWindows7Pro(64bit), RStudio (32bit) ver.0.97.551 , R ver. 2.5.3, knitr ver. 1.2を使用しています。

 作業の流れは以下の通りです。

   1.Markdownファイルのテンプレートを作成する。

   2.knitrを利用してHTMLを作成する。

1.Markdownファイルのテンプレートを作成する。
RStudioのウィンドウの左上にある新規作成のボタンを押すと全部で7種類のファイル形式が表示されます。今回はこの中の[R Markdown]を選びます。



 すると[Untitled1]という名前のRMarkdownファイルが作成されます。


 既にテンプレートとしてタイトル、コメント、コマンドシンタックスの例が書き込まれています。
ここで大事なポイントは、```{r} と``` で囲まれている部分です。この囲まれている部分(チャンクと呼ばれています)の部分をコマンドと認識するわけです。 二つ目のチャンクのように rの後ろにいろいろなオプションコマンドを足すことができるようです。


2.knitrを利用してHTMLを作成する。
 では、このテンプレートをそのまま利用して、HTMLファイルを作成します。
実はとても簡単で、画面の上の方に[knit HTML]という編み物のアイコンがついたボタンがありますので、これを押すだけです。


ボタンを押すと[Save File]のダイアログボックスが現れますので、保存したい場所に保存したい名前で保存します。保存すると.rmd,.md,.htmlという3つのファイルが保存されているはずです。
そして、プレビューとしてHTMLファイルが表示されます。























 タイトルとコメント部分に加えて、グレーの網掛けになっているコマンドシンタックスと囲みになっている出力部分が表示されます。そして、グラフもプロットコマンドの直後に表示されます。これを保存しておけば、コメント、コマンド、出力、グラフを簡単に見直すことができます。そしてHTMLファイルの良い点として日本語文字をすぐに表示できることがあります。

上のテンプレートを利用して作成した日本語の例をこのブログに張り付けると次のように表示されます。


タイトル

これは R Markdown 文書です。

exampledata = data.frame(実施回 = seq(1, 10), 結果 = seq(from = 100, to = 190, by = 10))
summary(exampledata)
##      実施回           結果    
##  Min.   : 1.00   Min.   :100  
##  1st Qu.: 3.25   1st Qu.:122  
##  Median : 5.50   Median :145  
##  Mean   : 5.50   Mean   :145  
##  3rd Qu.: 7.75   3rd Qu.:168  
##  Max.   :10.00   Max.   :190

グラフを挿入することもできます。

plot(exampledata)

plot of chunk unnamed-chunk-2

 次回は、このような出力をPDFファイルとして保存する方法を紹介します。

2013年6月4日火曜日

knitr package と RStudio (1)

 本日はR言語で分析するときに役立ちそうなツールのご紹介です。
(ちなみにこの話はロチェスター大学のJaeger先生に教わりました。Jaeger Lab.のブログにも
関連する投稿があるので興味のある方はこちらをクリックしてください。)

 あなたは、R言語を利用して分析する場合、出力結果をどのように保存していますか?容易に想像がつくのは、次の2パターンです。

パターンその1
 解析にRGui (R言語と同時にインストールされるインターフェイス)を使ってコンソール上に
コマンドを順番に入力していき、出力結果を表示させながら、分析を進めていく。
最後にコンソール上のすべてのコマンドと出力をコピー&ペーストで他のテキストエディタなどに
貼り付けてテキストファイルとして保存する。

パターンその2
 RScriptエディタを利用して、コマンドシンタックスのみをテキストファイルとして保存しておく。
出力結果が見たい場合は、その都度、コマンドシンタックスの必要個所を読み込んで分析を実施し、コンソール内の出力結果を読む。

 本ブログの管理人である「私」は主にパターンその2の方針を取っていました。しかし、どちらのやり方にも問題があります。

 パターンその1の方針をとると、保存したテキストにコマンドと出力が混在していて、必要な個所を見つけるのに時間がかかります。パターンその2の方針をとると、コマンドシンタックスのみが保存されているので、必要な個所は多少見つけやすくなります。しかし、出力を保存していないので、毎回RGuiを起動して出力を表示させる必要があります。そして、パターン1・2共通の問題としてグラフを別のファイルとして保存しなければならないということがあります。

 こういった問題を見直すと、分析結果を後からでも容易に見返すには、コメント、コマンドシンタックス、出力結果、グラフが一つのファイルに保存されて、かつそれぞれがすぐに区別できるように表示されていること」が大事だと気付きます。そして、これらを実現できるのがknitrというパッケージとRStudioというIDE(統合開発環境)です。

 knitrはR言語のパッケージの一つです。このパッケージが作られる前は、上記のような見やすい出力結果を表示するのにたくさんのパッケージを組み合わせて使う必要があったようなのですが、それらを一つのパッケージで実現することを目的に開発されたと、開発者のウエブページ(http://yihui.name/knitr/)で紹介されています。lme4と同じようにRGuiやCRANのウエブページからダウンロードしてインストールできます。

 RStudioはR言語の開発環境です。knitrパッケージに対応しており、あらかじめRにknitrをインストールしておくと、様々な形式(HTML, LaTeX, MarkDownなど)で出力するためのテンプレートをボタン一つで作ることができます。オープンソースなのでウエブページから無料でダウンロードできます。私はWindows版しか使っていませんが、Linux版やMac版もあるようです。


 では、どうやって使えばいいのか?次回は、HTMLで出力する方法を紹介します。

2012年12月18日火曜日

分散分析から回帰分析へ:回帰式による表現を理解する

 心理言語学を志す日本の学生の多くは、言語学科か心理学科に属しているかと思いますが、両者の違いの一つとして、次のことばに対する認識への違いを指摘できます。

「分散分析も所詮は回帰分析のひとつだよね。」

 統計学を必修科目としてお付き合いしてきた心理学出身の人がこれを聞くとたいてい
「そうだね。」「詳しくは知らないけど、授業で聞いたことはある。」という反応ですが、言語学出身の人のなかには
「そうなの?」「そんなの聞いたことないよ。」
という反応のひとがいるかもしれません。

今日は分散分析と回帰分析が同等であることを確認してみます。

1.条件の違いを示す棒グラフを線グラフに変更する。
以下は条件Aと条件Bについて何らかの成績の違いを示しているグラフです。一般的に条件間差はt検定で検定できます。













このグラフを線グラフに直してみます。また、「条件A」や「条件B」はラベルなので何と呼んでもいいはずです。ここで「条件A」を「0」、「条件B」を「1」と呼び変えます。


2.縦軸を移動する。
グラフ上の成績を示す縦軸は、横軸のどこについていてもいいはずです。ここで条件0の上に縦軸が引かれるように、縦軸を移動します。
















上の形を見てみると、中学校の数学で習った一次方程式を示す直線の形になっていることに気づきます。直線のy軸との交点は切片(intercept)、x軸が1変化するときのy軸の変化量を傾き(slope)と呼んでいました。ここで最初の二つの条件間差が傾きに一致していることに注意してください。

つまり、二つの条件はどちらも次のような方程式で書くことができます。

成績 = 切片 + 傾き x (条件の水準)

条件Aは条件の水準0なので
成績 = 切片 + 傾き x (0) = 切片

条件Bは条件の水準1なので
成績 = 切片 + 傾き x (1) = 切片 + 傾き

方程式上でも条件間差は傾きの大きさに一致しています。
こんな風に見方を少し変えるだけで、t検定で扱っていた条件間差が、方程式として表現できることが分かります。
 この考え方を理解できると「分散分析も回帰モデルの一種」という冒頭の言葉の意味がわかるのではないでしょうか。



2012年11月1日木曜日

t検定と分散分析の再確認

 本ブログでは、線形混合モデルについて議論することを目的としていますが、元々、実験的なアプローチに基づく心理言語学研究では、t検定と分散分析を主な統計ツールとして使ってきました。
そこで、t検定や分散分析の前提や計算の仕組み、使用上の注意などがとても分かりやすくまとめられている論文を紹介します。


著者: 近藤公久
論文タイトル: 有意差検定のしくみから考える 平均と分散から再確認
雑誌名: 日本音響学会誌
号: 68(8)
ページ: 397-402

リンク: http://www.asj.gr.jp/journal/04_contents/2011_08.html

 従来の解析と線形混合モデルとの違いを考えるヒントになるかもしれません。