2012年10月12日金曜日

本ワークショップで紹介する解析手法について


混合モデル解析を行うには何らかの統計パッケージソフトウエアが必要になります。例えばSASPROC MIXEDSPSSの混合モデル、R言語のlme4パッケージなどが挙げられます。また、モデルの選択方法や固定効果の有意性を検証する方法も一通りではありません。
本ワークショップの限られた時間内では、すべての統計パッケージの使用方法を解説する余裕がありません。また、特にこれまで混合モデル解析を使用されたことのない参加者の方が使い方について混乱されないように、原則的に使用する統計パッケージを限定して説明したいと考えております。統計パッケージと解析手続きに関する参考文献は以下の通りです。

【統計パッケージ】
R言語:Windows, MacOS XLinuxなど様々なプラットフォームにおいて無償で使えます。以下のCRANというウエブページからダウンロード可能です。
CRAN (The Comprehensive R Archive Network): http://cran.r-project.org

混合モデル解析を利用するためには上記のRをインストールしたうえでlme4という混合モデル解析用のパッケージを別にインストールする必要があります。
上記のCRANPackagesというメニューをクリックするとAvailable Packagesというリンクがあるので、それをクリックすると様々なパッケージを紹介するページへのリンクがあります。混合モデルにはlme4Linear mixed-effects models using S4 classes)を用います。

また、R言語の一般的な使い方については以下のウエブページが参考になると思います。
Rによる統計処理: http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/R/


【解析手順についての参考文献】
書籍
Baayen, R. H. (2008) Analyzing Linguistic Data. A Practical Introduction to Statistics Using R. Cambridge University Press.
Crawley, M. J. (2007). The R Book. Wiley

論文
Baayen, R.H., Davidson, D.J. and Bates, D.M. (2008) Mixed-effects modeling with crossed random effects for subjects and items. Journal of Memory and Language 59, 390-412.
Jaeger, T. F. (2008). Categorical Data Analysis: Away from ANOVAs (transformation or not) and towards Logit Mixed Models. Journal of Memory and Language 59, 434-446.

ブログ
Dale Barr’s Blog: http://talklab.psy.gla.ac.uk

なお、本ワークショップで紹介する解析手続きが、唯一の、標準的なものとは考えておりません。統計パッケージについても、有償か無償か、使いやすさなど、いろいろな側面で一長一短があろうかと思います。そこで、他の手法によって既に混合モデル解析を使用されている研究者の方にもぜひご参加いただき、異なる分析手続き、解釈の仕方、各種統計ソフトウェアの用い方などについて、今後の情報交換のきっかけになることを願っております。

0 件のコメント:

コメントを投稿