2012年12月3日月曜日

論文誌でのLME利用率(2)


文理解に関する研究でどの程度混合モデル解析が使用されているかを把握するため、論文誌における混合モデル解析の使用率を計算しています。

 第2弾ではLanguage and Cognitive Processesを取り上げます。計算の対象となったのは2011年、2012年の電子版が発行されている論文(全部で127本ありました)です。

 このうち、線形混合モデルを使用している論文が27本ありました。使用率は21%です。この値は前回調べたJournal of Memory and Language(29%)に比べて若干低いです。

 つぎに研究内容(文理解研究かそれ以外か)で分類してみました。その結果、文理解研究の論文がが49本、それ以外の研究領域(単語レベルの処理の研究や発話についての音響、音韻的な要因の研究が多く見られました)の論文が78本ありました。

 分類別の線形混合モデルの使用率を計算してみました。すると、文理解研究の論文のうち線形混合モデルを使用していは19本、使用率39%でした。また、他の研究領域では論文数が8本、使用率10%でした。線形混合モデルの使用が研究領域によってばらつくという傾向は、前回のJournal of Memory and Languageの場合と同様です。そして文理解研究は比較的使用率が高いという傾向も見られました。

 さらに、今回は、年度による違いを見ることができました。2011年の文理解研究では混合モデルの使用率が30%だったのですが、2012年ではこれが45%まで上昇しました。この上昇を考慮すると、Journal of Memory and Languageと比較してこの論文誌の使用率が低いとは単純に言えず、今後同程度にまで上昇するかもしれません。

 

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