2-1. 最大モデルによる推定
それではモデルを構築して推定してみましょう。まずは混合モデル解析のためのパッケージlme4を起動します。
library(lme4)
次にrawdataの中の変数を変数名で直接呼び出すためのコマンドを実行します。
attach(rawdata)
準備ができたので、モデルを構築します。固定因子はCondDummyでSubjectとItemをランダム因子とします。ランダム因子の構造は切片と被験者内(項目内)要因のスロープすべてを仮定します。推定した結果をmodel.maxという変数に書きこむことにします。
model.max = lmer(RT ~ CondDummy + ( 1 + CondDummy | Subject) + (1 + CondDummy | Item))
上の式を少しずつ説明します。
混合モデル推定を実行するためのコマンドはlmer()です。()の中にモデルを書きこみます。
モデルは 従属変数 ~ 固定因子 + (ランダム因子)のように書きます。 ~の左側に従属変数、
~の右側に説明変数を書きます。()でくくったものがランダム因子、くくらないものが固定因子と
認識されます。
ランダム因子を示す()の中は|でしきられています。|の左側に設定する項を書き、|の右側にランダム変数を書きます。|の左側の数字1は切片を示しています。つまり
(1+ CondDummy | Subject)は被験者というランダム因子の変動を切片とCondDummyという因子のスロープの二つに仮定することを意味します。
結果を見るには先ほど使ったsummary()コマンドなどを使います。
summary(model.max)
Linear mixed model fit by REML
Formula: RT ~ CondDummy + (1 + CondDummy | Subject) + (1 + CondDummy | Item)
AIC BIC logLik deviance REMLdev
1045 1072 -513.6 1036 1027
Random effects:
Groups Name Variance Std.Dev. Corr
Subject (Intercept) 431.5118 20.7729
CondDummy 5.7161 2.3908 0.115
Item (Intercept) 60.1954 7.7586
CondDummy 17.7028 4.2075 0.076
Residual 37.5728 6.1297
Number of obs: 144, groups: Subject, 12; Item, 12
Fixed effects:
Estimate Std. Error t value
(Intercept) 400.292 6.442 62.14
CondDummy 48.153 1.731 27.82
Correlation of Fixed Effects:
(Intr)
CondDummy 0.015
出力結果の読みとりやどの情報を論文に載せるべきなのかは後述します。
(5)へ続く
(5)へ続く
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